生活感の無いマンションの一室は、記憶の彼方にある姿そのまんまであった。
その勝手知ったる居間で、雲雀は座布団を二つに折ってゴロリと横になっていた。
普段は殆ど使われていない台所の方では、カチャカチャと陶器の触れあう音がする。

「うーん……」
「何?どうかしたの?」
つい零れた唸り声に思い掛けず反応があった。
声のした方を振り向けば、お茶を乗せたお盆を手にした少年が立っていた。
帰宅してすぐ台所へ向かったために、まだ学ラン姿である。
ありがとう、とお茶へのお礼を言ってテーブルに着く。
「考え事?――どうせ、ロクな事考えてないんでしょ?」
少年は、さして興味もない様子でお茶を差し出した。
「こう見えても、大人には色々あるんだよ」
「大人っていっても、二十半ばなんでしょ」
まだ子供だよ、と十歳も年下の少年に言われてしまった。
「ねえ、恭」
「何?」
「一般的に考えてみて、僕と君とでは、どう考えても僕の方が攻めだよね」
「・・・・知らない」
雲雀の言葉に、少年はあからさまに顔を顰めた。
「何で、僕の方が受けをやってるんだろう?」
何処で間違えたのかな――と首を傾げてみせると、彼は予想外だったのか眼を大きくして訊いてきた。
「・・・・ねえ。まさか、さっきそんな事考えてたの?」
「重要な事だとは思わない?」
「全く」
下らないと書かれた顔でお茶を飲む彼に、雲雀は上目使いで覗きこんだ。
「ねえ?」
「・・・・」
しつこいよ、と言いながらも、諦めたように少年も眼を合わせてた。
「あっちでも、そうなの?」
「――?ああ、未来?どうかな。そんなに誰かとお付き合いする事も無かったからね」
「ふうん」

ふと、思い出して、雲雀は口を開いた。
「ああ。・・・そういえば、僕が十五歳の頃、十年後の雲雀恭也と付き合っていたけれど」
「十年後の――?」
途端に少年は興味を持った様子で、瞳を鋭く光らせた。
「気になる?」
「・・・・その時、君はどっちだったの?」
「普通に“一般的”な関係だったよ。その時は、『ああ、僕も大人になったら攻めになるのかな』と思ってたんだけどね」
「・・・そこで間違えたんだよ、君」
「やっぱり、そう思う?」
「うん」
そっか、と雲雀は楽しそうに呟いた。

「ねえ、君」
不意に、少年が小さな声で言った。
「何?」
「君は、どっちの方がいいの?」
え?と返答に困った雲雀に、少年は攻めか受けかじゃないよ、と付け加えた。
「じゃあ何?」
「僕か、“彼”か、だよ」
「彼、って・・・」
ああ、と雲雀は納得する。
同時に、「雲雀恭也」の性格も思い出す。
「どうだろうね」
「・・・・」

雲雀にとって、十年前の彼と、十年後の彼。
―――君は、どっちの方がいいの?
そう訊いた彼の、独占欲の強さ。

「怒った?」
クスクスと笑いながら訊くと、ぶっきら棒な声で、別に、と返ってきた。
無意識であろうその不貞腐れた顔に、特別な感情を抱きながら、雲雀は少年の頭に手を置いた。
「安心しなよ。君とは、もう少し長い付き合いになると思うんだ――“彼”よりもね」
すると少年は、ちょっとズレてるよ、と不敵な笑みで言った。
「その答えじゃ、不十分だよ」
そうだね、と応えると、そうだよ、と返された。
「言い直そう。僕は、君の方が好きだよ」
挑戦的な笑みで彼に囁くと、それは気が合うね、と少年は同じ笑みで囁いてくれた。








複雑な関係・・・(汗)

今一つ、パラレルワードとタイムトラベルが分かっていない烏兎。
いや・・・・。
1818をやる上で、この辺の事は深く突っ込んじゃいけないということは、重々承知ではありますが。
(根本から、成り立たないですからね)
切ないな・・・1818って。


今回は、「現在」「未来」であれば、全く関係の無いはずのパラレルワールドにも行ける、と言う設定でした。

・・・・?
言ってる事、あってるかなぁ、俺。

25ヒバは、10年前も受。
対して、15ヒバは攻。

変なの。
と言うか、子ヒバ前から抜けなさい、烏兎。
(実は、リバ有――って言うか、脳内は大人×子供です ←完全に意味不明)


そして、相変わらず、脈絡のないアトガキ・・・(涙)


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