「雲雀恭弥・雲雀くん・雲雀・恭弥君・恭弥・・・」
「は?」


どれがいいですか?―――そう言って少年が赤と濃紺のオッドアイでもう一人の黒髪の少年の顔を覗き込む。
相手の少年は、心底面倒くさそうに溜息をついて、どれでもいいよ――と呟いた。

並盛中学校の校庭。
この時間体には大勢の部活にいそしむ並中生たちが走り回り、大きな声があちこちで上がっている――筈であったが・・・

いま、ここには生徒も教師も一人もいない。

この、二人を除いて。

「どれでもよくありません。僕は真剣に聞いてます」
「・・・君ってホント変ってるよね。」

2人とも、並盛中のブレザー姿ではない。
一人は漆黒の学ランを身にまとい、その左腕には“風紀”と刺繍された腕章をつけている黒髪の少年。
もう一人は、お隣、黒曜中学校の制服に身を包んだ長身の少年。

一人の手にはトンファー。一人の手にはトライデント。
とても、中学生が持つには相応しくない、物騒なシロモノ。・・・しかも、多量の血が付いているというおまけ付き。
その血は、お互いの体から滴っている物である事は明白だった。


じゃあ・・・――と黒髪の少年は無表情のまま小首を傾げて、

「六道骸・六道・骸・貴様・君・・・どれがいい?」
「・・・・貴様は勘弁してください」
「じゃあ、“君”で」
「・・・・“骸”が良いです!」

我儘だね、別にいいけど――とからかうように笑う。
先程まで行われていた、手合わせと言うには少し壮絶すぎる戦いなど、およそ想像できないほどの柔らかい微笑。

言われた少年は、濃紺の方の瞳を悪戯っぽく閉じた。

「だったら、僕は“恭弥”と呼ぶべきですよね」
「・・・・」

うきうきと身を乗り出してくる頭を、黒髪の少年の白い手がはたく。

「嫌だ」
「・・・なんでですか」
「何となく」
「・・・・あのときは呼ばせてるじゃないですか」
「・・・・普段から呼ぶ必要はないでしょ」
「じゃあ、“恭弥くん”なら・・・」
「それも嫌だ」

なんかムカつく――黒髪の少年はムスッとした顔で相手を見つめていたが、ふと、思いついたようにその濃紺の横髪を引っ張って顔を近づけた。

「いたた。何するんですか!」
「それじゃあさ、こうやって・・・・」


ちゅ。


 「・・・・」
「名前を呼ぶ代わりにこうするってどう?」


少年と少年が、しばらく無言で見つめあう。


それは――とオッドアイにかかる前髪を払うこともせず、小首を傾げて、



「とても、いいですね」
「でしょ」



目を閉じた二人の顔が近づく。
彼と彼の唇が触れあう。


クスクスと笑いあう2人。

本当に、ただの子供にしか見えなかった。












ヒバリさんと骸さんの日常会話。
ただのバカップル。
でも、コレ、二人で血みどろの手合わせした後ですよね・・・
可愛いなぁ・・・(え。


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