もし、

もし、

僕が、

僕が、

君だったら。

君だったら。














「“もし”?」
「そうです。もし、と考えたことはありませんか?僕が君で、君が僕だったら、って」
「その髪型は御免だよ」
「・・・・そういう意味ではありません。僕が並盛中の風紀委員長で、君がマフィア殲滅をはかる脱獄犯だったらってことです」

もし、僕が君だったら。
僕は、やっぱり、君と同じことをしただろうし、
君も、やっぱり、僕と同じことをするだろう。

自分が正しいと信じて。

僕は、やっぱり、君に敵意を抱くだろうか。
どうしようもなく、悔しくなるだろうか。時に、殺してしまいたいと思うほど。

それでも、おかしいかもしれないけれど、僕は、これだけは確信してる。

「興味ないよ。残念だけどね」
「・・・・・・そっけないですね」
「何とでも」


もし、僕が君でも。
もし、君が僕でも。


僕たちは、きっと。
時に、いっそ殺してしまいたいと思うほど。




「・・・どうしたんですか?考え込んで」
「君のさっきの話を考えてた」
「え?もし、の話ですか?」
「言っとくけど、髪型の方じゃないよ」

もし、僕が君だったら。
僕は、やはり、君と同じことをしたでしょうし、
君も、やはり、僕と同じことをするでしょう。

自分が正しいのかと疑って。

僕は、やはり、君に興味を持つでしょうか。
どうしようもなく、憎くなるでしょうか。時に、死んでしまいたいと思うほど。

それでも、おかしいかもしれませんが、僕は、これだけは確信しているんです。

「あんまり言うと、堕としますよ」
「できるの?」
「勿論」


もし、僕が君でも。
もし、君が僕でも。


僕たちは、きっと。
時に、いっそ死んでしまいたいと思うほど。








きっと僕らは、お互いに。











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